【エリア】チャイナタウンの歴史

シンガポール

2024.04.242024.04.26

チャイナタウンの起源
出身地・言語グループによる住み分け
早期中国移民のエスニックグループ
独立後の都市再生計画

チャイナタウンの起源

819年、ラッフルズがシンガポールに上陸し、自由港が設立されると、中国をはじめ他の地域からの移民たちが海岸沿いに集まり始めました。移民の増加に伴い、ラッフルズは都市計画を行い、民族ごとに地区をグループ化して移民の管理を容易にしました。こうして、「ボートキー南西岸」の地域は、中国からの移民たちの村（カンポン）として割り当てられました。

出身地・言語グループによる住み分け

中国からの移民たちは、同じ出身地と方言グループごとに分かれて定住しました。それぞれの通りは独自のアイデンティティを保ちながら発展していき、その結果、チャイナタウンの歴史地区は、クレタ・アイヤー、テロック・アイヤー、タンジョン・パガー、ブキット・パソの4つの地域で構成されています。

クレタアイヤー/牛車水（１）の名称は水を運ぶために使用されていた牛車に由来しています。19世紀、広東人が大多数を占めていたこのエリアでは、喫茶店や劇場など、さまざまな娯楽施設が数多く見られました。

テロック・アイヤーは1820年代に開発が始まり、19世紀後半まで主要な商業地区として繁栄しました。このエリアには、主に福建人が暮らしていました。

タンジョンパガー（３）は、19世紀半ばに建設された埠頭と町の間に位置する地域として、急速に発展しました。

ブキットパソ（４）は、すでに人口が密集していたクレタ・アイヤーとテロック・アイヤー地区の拡張として、20世紀初頭に開発されました。

早期中国移民のエスニックグループ

グループ	出身	人口	当時の主な職業
福建人	福建省	40％	海運業・金融業・建築業
潮州人	広東省	20％	漁師・香料貿易・繊維製品貿易
広東人	広東省	15％	大工・使用人（女性）・労働者（女性）
海南人	海南省	７％	ホスピタリティ産業・船乗り・使用人

参考：シンガポール華族文化センターの展示

独立後の都市再生計画

19世紀から20世紀初頭にかけて、中国からの移民の急増により、この地域では人口過密と治安の悪化が深刻な問題となりました。シンガポール政府は、これらの問題に対応するため、1960年代半ばから都市再生計画を開始し、住民には再定住地として団地が割り振られました。この再定住によって、過密状態の解消と治安の改善が図られました。